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NewDaysでQRコード決済を使うメリットは絶無【PayPay】

JR東日本系列のコンビニ、NewDaysNewDays KIOSKでは2022年4月19日から新たにPayPayなど5種類のQRコード決済が利用可能になりました。しかしNewDaysであえてQRコード決済を利用するメリットは全くと言っていいほどありません。

 

この記事ではここ数年のNewDays(NewDays KIOSK含む、以下同じ)のキャッシュレス決済拡充の流れを振り返ったあとで、NewDaysにおけるQRコード決済の取り扱いについて見ていきます。

 

 

NewDaysのキャッシュレス決済の歴史

※駅ビル内など一部の店舗は導入時期が異なります。

Suica一本足打法時代(~2017年)

NewDaysJR東日本系列ということもあり、長らく宗教上の理由でキャッシュレス決済は交通系電子マネー*1のみの体制が続きました。

金券類はびゅう商品券、ビール券、アイス券等を受け付けていたはずですがほとんど利用はなかったと考えられます。

またSuicaポイントクラブに登録したSuicaで決済すると200円ごとに同ポイントが1ポイント貯まっていました。

 

NewDaysのセルフレ

NewDaysは客単価・購入点数の少なさ*2決済手段のシンプルさゆえUIが単純化できた、隙あらば省人化しようとする本体のやり方を移植させられたなどの理由からこの時点で一定数の店舗に「Suica専用*3」セルフレジが導入されていました。

NewDaysの現行セルフレジ。NewDays公式HPより引用。

当時のセルフレジの筐体は決済端末が変わったことを除いて現在使用されているものと同型と思われます。

使用方法も現在と大きく変わりませんが、決済手段が1種類のみ、ポイントカードなどの煩わしいシステムもないことから「①商品バーコードスキャン→②タッチパネルの支払いボタン押下→③Suicaタッチ」とUIは極めてシンプルでした。当時のセルフレジ誘導の広告では所要時間を5秒と宣伝していましたが、これは誇張ではなく1品のみ購入であれば十分現実的な数字でした。②で押す支払いボタンがレシートありなしの2つありレシートの要不要が選択できたのも特徴の一つで、レシートなしのボタンが目立つように配置されロール紙の節約にも配慮?されていました。

 

2017年:クレカ対応・JRE POINT移行

頑なに交通系電子マネー以外の決済手段を拒み続けてきたNewDaysでしたが、2017年12月前後*4にクレジットカード決済に対応しました。導入のきっかけはインバウンド対応などが考えられますが正確なところは不明です。

NewDays公式ツイッターの告知。あまり乗り気ではないのが文面からにじみ出ている。

また2017年12月5日、SuicaポイントクラブJRE POINTと統合されたことにより貯まるポイントがJRE POINTに変更となりました*5。レートは従来同様1ポイント/200円です。

 

2018年(?):QRコード決済を導入(※日本ユーザーはほぼ無関係)

2022年に初めてQRコード決済に対応したと勘違いされがちなNewDaysですが、実は3年以上前から一部の決済には対応していました……AlipayとWeChat Payだけですが。

2021年4月1日のNewDays運営会社変更*6にともなうホームページリニューアルで過去のプレスリリースが全滅したため詳細な導入時期は不明です。そもそも日本人がほぼ利用しないサービスということもありSNSでの言及も少なく、2018年ごろということしかわかりません。

https://twitt

NewDaysAlipay/WeChat Payを使った旨の最古のツイート。2018年1月9日。

↑しかし翌10日にはこんなツイートも…。

↑この次に観測可能なツイートは1年以上あと。よくわからない…。

 

2020年:電子マネー各種対応・セルフレジ多機能化

このころに交通系以外の電子マネー5種(QUICPay、iD、楽天EdyWAONnanaco)に対応したようです。導入時期はNewDaysWikipedia*7には2020年10月頃(※出典なし)とありますが、やはりプレスリリース等がないため詳細は不明です。

↑2020年8月9日にこれら5種の電子マネーが使えたというツイートもあり

 

またおそらくはこれと同時期にSuica専用だったセルフレジが他のキャッシュレス決済にも対応するようになったと推測されます。この機能追加で支払いボタン押下後に決済手段の選択画面が追加されたはずです。

 

ちなみにQUICPay等の公式アカウントではこの件をきっちり告知しており楽天Edyはキャンペーンまで行っていますがNewDays公式ツイッターはガン無視しています。

edy.rakuten.co.jp

2022年:国内QRコード決済対応など

長い間QRコード決済は(ほぼ)非対応を貫いてきたNewDaysも禿を筆頭としたコード決済勢の勢いに抗えなくなったのか、2022年4月19日、ついに国内コード決済5種(PayPay、d払い、auPAY、楽天ペイ、J-Coin Pay)に対応しました。

retail.jr-cross.co.jp

電子マネー導入時と同様NewDaysとしては不本意なのか公式ツイッターはだんまりを決め込んでいます。電子マネーより不便なコード決済を積極的に使う理由がわからん

 

またこれまでJRE POINTはSuica決済でのポイント付与のみ対応でしたが、11月2日からJRE POINTカード*8、同アプリなどの提示でポイントを使うことができるようになりました。でもSuicaグリーン券交換やえきねっとなど実質1ポイント1円超のレートで使える場面も多いのでNewDaysではポイントを使わないほうがお得だと思います

 

 

NewDaysのコード決済ではポイントはつきません

NewDaysはよっっっぽどコード決済を使ってほしくないのか、しぶしぶ導入した上で更にかなり強烈な縛りをかけています。前項のNewDays公式HPのおしらせをよく読んでみると以下の一文があります。

※各国内バーコード決済にて提供するポイント、割引等は対象外となります。 

PayPayの公式HPにもこのような記述が。

paypay.ne.jpNewDaysでの決済は、PayPayステップの特典付与の対象外となります。なお、PayPayステップの達成条件(決済回数・利用金額)にはカウントされます。

実際にNewDaysでPayPayを使ってみると、最低でも200円で1ポイント付与されるはずのPayPayポイントがまったく付与されていないことがわかります。

地域振興などの目的で自治体が公金を原資に実施するキャッシュレス還元キャンペーンにも参加していないようです。

「この秋、千葉がアツい!還元額40億円相当!!キャッシュレス決済で最大10%戻ってくるキャンペーン」期間中の決済履歴。通常9ポイント付与されるはずだがポイント獲得欄自体が表示されていない。

したがって、NewDaysで(国内)コード決済を利用してもポイ活面ではまったくメリットがありません。

 

どうしてこうなった

クレジットカード、交通系以外の電子マネーでは行っていない強烈な弱体化をわざわざかけているのは宗教上の理由ひとえにコード決済勢、特に禿率いるPayPayの隆盛に対する警戒感の表れと考えられます。

Suicaは国内で大規模に普及した初めての電子マネーというアドバンテージがありますが、電車に乗るためのカードという出自から残高2万上限、高額な決済端末、利用履歴を掘れないなど電子マネーとしては機能面で弱みを抱えています。さらに自ら残高情報を保持している物理カードが幅を利かせており*9アップデートも容易ではありません。そもそも電車に乗らない地方の人には接点がなく普及が進んでいないという問題もありました。

この隙を突いたのがPayPayなどのコード決済で、大企業には購買情報とプッシュ通知による顧客との接点を、零細店舗には初期投資の少なさと安い手数料を、利用者には100億円を提供することで全国津々浦々に一気に普及しました。

交通系ICカードの親玉ことJR東日本Suicaシステムのクラウド化、QRコードとの融合などに併せ電子マネー機能を強化することで弱点を埋めに掛かる可能性は高いでしょうが、機能改修に年単位の時間を費やす間にコード決済の地位はさらに盤石なものとなるでしょう。キャッシュレス戦争において交通系ICカードに逆風が吹いている中でペンギン様がどのように立ち向かうのか注目したいところです。

*1:SuicaPASMOICOCAKitacaTOICASUGOCAmanacanimocaはやかけんの9種。

*2:「なぜ小さなコンビニが、セブンより下でローソンより上なのか」

https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1506/03/news027.html

*3:実際は交通系電子マネー9種対応

*4:詳細不明、おそらく次に述べるJRE POINT導入と同時だと推測される

*5:参考資料:「JRE POINTのサービスが広がります~SuicaポイントをJRE POINTへ共通化します~」(JR東日本ニュースリリース)URL:

https://www.jreast.co.jp/press/2017/20170403.pdf

*6:JR東日本リテールネットJR東日本クロスステーション

*7:

https://ja.wikipedia.org/wiki/NewDays

*8:ポイントカードが搭載されたビューカードも含む

*9:2018年のPayPayサービス開始時点ではfelica非対応のiPhoneを持っていた人も少なくない